多様な経験が人生を彩る 3人きょうだいの末っ子として福島県白河に生まれる。 上京し、東京の建設会社で設計の仕事に就く。「当時は会社に泊まり込んだりして、働き詰めの毎日だったよ」と当時を懐かしむ。 結婚後、義父の体調を鑑み相模原へ移住。基礎工事などを行う小菅工務店を引き継いだ。兼業農家だった義親の逝去で、平成20年からは田畑の耕作も開始。未経験だったが、親戚や近隣住人の手ほどきを受けながら農業を学んだ。 農繁期と工期、一期務めたJA理事などの役が重なることもあり多忙な日々だったが「勤め人、経営者、JA組合員・役員と、色々な立場を経験したことで、知らなかった分野の仕事や人とふれあうことができ、見聞が広がった」と話す。 野菜作りでは無農薬に努め、酢やトウガラシなど、天然で防除に使えるものを活用。家族や友人らの喜ぶ顔を糧に畑仕事に励む。 「農地は皆の宝なってからでもいい。跡継ぎならば、自分の家の農地に責任を持たなければ」と語る眼差しは真剣だ。 忙しい日々の中、ほっと一息つくのはお気に入りの音楽や美術に触れるとき。特にミケランジェロの作品は「彼の作品は人間の域を超えている」と、特別な魅力を感じている。 「仕事や世間が落ち着いたら、いつかバチカンに行って、ミケランジェロの『ピエタ』や『最後の審判』などの美術作品をこの目で見てみたい。そのためにもまずは健康第一で、仕事や農業に励んでいきたいね」と笑顔を見せる。。50、60歳にPo ta to8 「80歳まで勤めていました。今は自宅の畑で土と親しむのが何よりの楽しみです。農業に関わる人たちとの対話は人生を豊かにしてくれますね。手指の運動も兼ねたウクレレ演奏も楽しみのひとつです。子や孫たちには旬の大切さを伝えていきたいです」と公男さん。 「お花が大好きで、自宅で季節の草花を育てたり、家に飾るちょっとした生け花などを楽しんでいます。最近習い始めた民謡では、先人の努力や暮らしぶりの書かれた歌がとても興味深く、楽しみながら文化を学んでいます。友人やご近所さんに恵まれ幸せです」と桂子さん。 「家族に囲まれながら、夫婦■って健康で穏やかに長生きできれば幸せですね」と目を合わせほほ笑む二人。 結婚56年目の二人三脚です。渋谷 公男さん(83歳)・桂子さん(80歳)相模大野支店管内 谷口地区小菅 昭さん(69歳)田名支店管内 陽原地区家族と穏やかな暮らしを
元のページ ../index.html#8