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【広報取材】「お城マルシェ」地域のよりどころに

買い物客に商品を手渡す江成さん(右)

 田名地区で、旅館の元女将が営む「お城マルシェ」が人気です。自宅ガレージを活用し、地域住民にとって貴重な買い物スポットとして機能し、気軽に訪れることができる交流サロンの役割としても成長しています。

 マルシェを営むのは、田名支店の組合員でJA女性会の会員でもある江成深雪さん。地元で200年以上続く割烹旅館「旭屋」の看板女将としても長年活躍してきました。

 2017年、「気まぐれマルシェ」としてオープン。当初は近隣の市立科学館に来園する子どもたちが立ち寄れる場所を作ろうと始めました。現在では、同地区ではあまり見かけない洋風建築から、現在は「お城マルシェ」と名付けて住民から親しまれています。

 マルシェに並ぶ商品は、江成さんが市内を巡って仕入れを行います。子ども向けに菓子類やかき氷、ソフトクリームを用意するほか、豆腐類やパン、旬を迎えた市内産の野菜も店頭に並びます。特に人気を集めるのは、江成さん自ら営業日の午前中から仕込む、いなり寿司や煮豆、ポテトサラダ、揚げ物などの手作り惣菜。平日は夕飯のおかずとしても人気です。今では数を減らした駄菓子屋の雰囲気を醸し出し、同旅館が開発した銘菓「風干し鮎せんべい」なども販売しています。

 同マルシェが水郷田名は相模川の河川敷に位置し、買い物をできる場所が少なく、食料を手に入れるには急坂を上らなければならない立地です。徐々に取扱商品を増やしていく中で、高齢者をはじめとした地元住民が徒歩や自転車で気軽に来ることができるマルシェとしてもおなじみとなりました。「今日は何があるかしら」「後でまた買いに来るから、惣菜を残して置いて」など、江成さんの気さくな性格から互いに世間話に花を咲かせ、地域の憩いの場としても機能しています。

 利用者は「煮魚など、手作りの味がうれしい」「顔なじみと定期的に話ができる場所として、来るとほっとする」などと話し、社会からの孤立を防ぐためにも欠かせない場所。

  江成さんは「定期的にお越しくださる皆さんに感謝したい。多くの人に気軽に足を運んでほしい」と話しています。 同マルシェは毎週木・土・日曜日の午後0時半から午後5時まで。