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【広報取材】スパークリングでイチゴ魅力拡大

秋の訪れを爽やかなイチゴワインで乾杯――JA管内のイチゴを使ったスパークリングワインが9月中旬、農産物直売所「ベジたべーな」にお目見えしました。連日のように最高気温35度以上の猛暑日が記録された今年、鮮やかな色で消費者の目を楽しませ、フルーティーな味わいのワインに注目が集まっています。
開発したのは、中央区のケントクワイナリー。以前から市内産ブドウやブルーベリーのワインを生み出してきました。昨年から6次産業化の一環でJAとタッグを組み、シーズン終了後の市内産イチゴを活用したワインを開発。今年は新たな取り組みとしてスパークリングワインに挑戦し、市内産イチゴの更なる魅力発信に向けて、磨きをかけています。
今年6月には、同市園芸連絡協議会いちご部会、愛称「さがみはらいちご倶楽部(くらぶ)」部会員3人の圃場(ほじょう)で、イチゴ観光園としての営業終了後にイチゴ263kgを同社社員やJA職員らが収穫し、醸造を始めました。イチゴ本来の風味を生かした発酵に細心の注意を払い、イチゴの甘い香りを前面に押し出すとともに、スパークリングの爽やかな泡感をしっかり感じることができるように仕上げました。
去年はハーフボトル(375ml)約350本を製造したが、発売直後から話題となり、1カ月程度で完売した。今年はその人気ぶりに応え、同450本程度を生産を予定し、「ベジたべーな」「ベジたべーなmini」の他、市内酒店で販売。昨年買うことができなかった消費者からの予約や業者からの問い合わせも多く、サンプルを試飲した酒店からも太鼓判を押されています。
同社によると、フルーツワインはワイン愛好家の好き嫌いが分かれるというが、ブドウやブルーベリーのワイン造りを通じた商品の品質、消費者からの反響を踏まえて手応えを掴んでいます。
ケントクワイナリーを運営する大森産業㈱の森山錬一常務は「イチゴワインに対する消費者ニーズは高い。来年以降も原料の確保ができれば、さらに増産していきたい」と意気込んでいます。
同部会の成井正志部会長は「ワインをきっかけとした市内産イチゴの認知度向上やシーズン中のイチゴ観光園の来客につながれば」と期待しています。