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【広報取材】親子で作り上げるシフォンが人気

上溝支店管内で、市内産の卵を使ったシフォンケーキが人気を集めています。スイーツ作りを志向する親子が二人三脚で工房を営み、季節感を押し出した商品開発に尽力。障がいを持つ地域の子どもたちへ料理体験会の開催などを計画するなど、地域貢献にも取り組んでいきます。
上溝駅近くにお住まいの平松陽子さんは今年3月、自宅で「くまさんのシフォン屋さん」を開業しました。平松さんは元々シフォンケーキを作るのが好きで、以前から近所にお裾分けするなどしていました。ご近所さんからも好評で、「販売していればぜひ買いたい」などの希望も受けていました。
一方、三男の陽翔さんは幼少期から障がいを抱えていて、県立相模原中央支援学校に在籍時、パンや焼き菓子の調理を学んでいました。これに魅力を感じた陽翔さんは、職業としていくことを志しました。親子二人三脚で好きなことを仕事にしていくため、自宅を一部改造してオーブンを備えるなど、開業に向けて準備をしてきました。
看板商品は高さ8cm、直径6cmほどの円筒状容器で焼き上げた“キャンドルシフォン”。シフォンケーキの材料には田名の小川養鶏場の卵をふんだんに使用。ケーキの特徴である生地のふわふわ感を前面に押し出すため、水分を多く含ませています。そうすることで、キャンドルシフォンが自重で倒れることなく自立するといいます。
ケーキの上部にはホイップクリームと市内産のイチゴなど季節の鮮やかなフルーツを添え、色鮮やかなコントラストが視覚的にも消費者の注目の的となっています。ケーキ内部にもクリームと具材がぎっしりと詰まっていて、消費者を幸せいっぱいな気持ちにさせてくれる。消費者に季節感を楽しんでもらえるよう、春には生地に桜の茶を練りこむこともあります。
同店ではフルーツゼリーやクッキー、マドレーヌなど焼き菓子なども手掛け、自宅やJA農産物直売所「ベジたべーな」などで販売しています。お店やスイーツをPRしていくため、上溝在住の絵本家にイラストを依頼。自宅工房の地図や陽翔さんをイメージした熊のイラスト描いてもらい、商品棚の装飾POPなどに活用することで、女性や子どもの目を引いています。今後は「紅はるか」や「シルクスイート」などのサツマイモをクリームチーズに練りこんだチーズケーキを販売していく予定です。
陽子さんは「消費者が喜ぶ魅力的なスイーツを提供することはもちろん、お世話になっている地域への恩返しするため、市内飲食店とコラボレーションして、障がいを持つ子どもたちを招いた料理体験会などを開いていきたい」と意気込んでいます。