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【広報取材】自販機での農産物販売 新たな顧客層獲得へ

相模大野支店管内で、ロッカー式の自動販売機を導入した野菜販売が進んでいます。農家による直売をはじめ、量販店や市場への出荷が主な販路となっているJA管内では数少ない販売形態で、消費者・地域住民に対し地元農畜産物のPRや新たな購買層の開拓に期待が高まります。
最初に導入したのは、国道16号線沿いでイチゴ摘み取り園「Farm Big Lucky‘s(ファーム・ビッグ・ラッキーズ)」を営む大貫新一さん。大貫さんはほぼ一人でイチゴ園を運営し、アスパラガスなど多品目経営しています。出荷作業の手間や接客応対の時間を節約するため自販機を導入しました。
自販機の設置場所はイチゴ園とは別で、JR町田駅至近のコンビニエンスストア兼ドラッグストアの隣地。2023年末に1台目を設置し、昨年初頭に2台目の運用を始めました。
大貫さんが導入した自販機の野菜を納める部屋数は2台で計34部屋。2台ともデリケートなイチゴやアスパラガスを取り扱うため、鮮度を保つことができる冷蔵可能なタイプを導入している。今後はブルーベリーやイチジクの販売も検討中です。購入者は地域住民や仕事帰りの若い世代が多いのではないかと推察し、新たな客層への訴求も視野に入れています。
大貫さんは「市内であまり作られていない作物を生産し、自販機を通じて市民へ新たな魅力をPRしていきたい」と力を込めています。
一方、昨年7月に自宅隣の畑の片隅に自販機を設置したのは、露地野菜を中心に年間約40種、直売や市場出荷をメインに販売する渋谷直売所の渋谷大貴さん。家族三世代で野菜栽培に従事し、これまで週3回直売を行っていましたが、家庭の都合で回数を減らすことになりました。代わりに大・小合計33マスを有する自販機を導入し、販売機会の創出を狙います。
販売開始30分前から渋谷さんが開店準備をはじめ、ブロッコリーやハクサイ、ジャガイモなどを自販機のマスに手際よく納品。大きい野菜にはビニール袋も据え置くなど、細かな配慮を欠かさない。表示価格と機械の設定のミスは即トラブルにつながるため、神経を使う作業でもあります。
渋谷さんによると想定以上の売れ行きで、直売所の常連客に加え若い世代など、これまで直売の営業時間に来店できなかった層や、コミュニケーションが苦手な人でも商品をじっくり選ぶことができるのではないかと推察します。また、規格外品を市場出しすると通常の半額程度の売値ですが、自販機であれば自由に価格を設定できるなどのメリットもあるそうです。
販売時間は午前11時~午後6時。1週間分の販売予定は自販機前に掲げる看板とインスタグラムで告知しています。
渋谷さんは「地域住民に喜ばれていて、こちらもうれしくなる。1年程度の売れ行きデータを蓄積し、今後の栽培計画などに生かしていきたい」と話しています。