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【広報取材】完熟梅を確実に収穫 “梅キャッチャー”登場

新磯地区で、梅を生産する臼井道子さん宅で6月下旬、庭先に育つ梅の実を集める“梅キャッチャー”が今年からお目見えしました。梅の木の下にネットを張り、完熟した梅が落ちても割れないように集めて収量を増加させるものです。
臼井さんは青梅をJA農産物直売所「ベジたべーな」や市内スーパーなどに出荷する他、梅干しやジャムも加工しています。梅の木は自宅と近くの果樹園で「南高」「白加賀」計21本栽培。自宅の木は、大正14年生まれの義理の父の姉が小学校卒業の記念品として貰った苗木を大切に育ててきたものだといいます。樹齢90年程の現在でも、大きくて丸々とした梅を毎年数多く実らせています。
梅干しやジャムの材料としては黄色の完熟梅が最適ですが、自重や風の影響で落下しやすく、果肉が柔らかいため固い地面に落ちると割れやすい。果樹園の地面は草地で落ちても傷がつきにくいのですが、自宅敷地内は砂利やブロック敷きのため、落下すると割れて利用価値がなくなってしまいます。多い時は2、3時間で50個ほど落ちるといい、以前から「もったいない」と思っていました。
これに対応するため、以前はブルーシートの四隅を枝に結びつけていましたが、雨水がたまったり、風に煽られるなどの不具合があったため、今年は見直してシートを目の細かいネットに変更。大小8枚を組み合わせて洗濯ばさみで連結した。紐で結ばないことで、状況によりネットの傾斜度・構造などを柔軟に変更できるのがポイントです。ネットは木の下に張り、四隅に「のぼり旗」のコンクリート土台を設置。鉄製のポールを立て、重さに耐えられるようにする。ポールにS字フックを差し込み、フックにネットを掛けて吊り下げます。
梅の木の下には植木が一部茂っているため、茂みに梅が落ちないようネットを被せます。実が転がって集まる場所にはネットの下にござや絨毯などを敷き、肌に傷が付かないよう配慮します。ネットの継ぎ目から手を伸ばして、集まった梅を収穫できるようになっています。ネットを張ったことでデリケートな完熟梅の収量も大幅アップ。捨てる梅がなくなったことで、割れた梅や地面の掃除が不要になりました。
臼井さんは「長年実らせている自然の恵みを有効活用していきたい」と話しています。