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【広報取材】相原牛乳 販売に幕

惜しまれつつ販売を終了した相原牛乳

  県立相原高校が生産し、15年にわたり市民から愛されてきた「相原牛乳」の販売が幕を閉じました。年明けから1月30日での終売を知らせるPOPをレジに設置。なじみ客からは終売を惜しむ声が上がりました。

 15年前、肉牛と育成牛がメインだった同校は、約半世紀前に牛乳生産をしていた時に使っていた牛乳瓶が見つかり、これを機に相原牛乳を復活させる機運が高まりました。復活に向けて、近隣の酪農家が搾乳時に使うミルカーや保存用バルククーラーなどを提供し、生徒と教員が一丸となって生産体制を整備。同校によると、乳牛の飼養管理は衛生面や毎日の管理が繊細なため、全国的にも農業高校での搾乳が減っていく中、復活したのは珍しいといいます。

 当時、畜産部の生徒として牛乳生産に開始に向けて奮闘し、卒業後の現在は同部の顧問を務める西野菜穂実習助手は「生徒自身が牛乳開発に携わり、消費者を喜ばすことができた経験がその後の自信につながった」と当時を振り返ります。また、相澤拓朗教諭は「消費者が直接口にするものを生産することに、強い責任感が養われた」と活動の成果を強調します。

 同校は現在、乳牛と肉牛18頭を飼育し、うち4頭から生乳を搾っています。一本900㍉㍑の牛乳は安定した時期には20本ほどを生産し、特徴ある瓶のデザインは半世紀前と同じ形を踏襲。校内で取れた野菜や豚肉で作った加工品などと一緒に校門で販売してきました。毎回、販売前から約20人の市民が列を作るなど根強い人気を誇り、牛乳は「昔ながらのビンのデザインがかわいい」「甘くて濃厚な味わい」など好評でした。

 指導を担当する畜産科学科の杉山由吏教諭は「今回、製造元の都合で終売となりましたが、乳牛を飼養管理する生徒の牛への愛情や意欲は高い。今ある課題を克服し、地域の方々のご協力のもと相原牛乳の再復活を実現したい」と話しています。