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【広報取材】津久井在来大豆の魅力 海外ベンチャーへ発信
新磯支店の組合員で、同支店管内で酒販売や津久井在来大豆加工食品などを営む「豊国屋」店主の岡本政廣さんは2月29日、オーストリアの首都ウィーンに本社を置き、欧州を中心に冷凍枝豆などを手掛けるエダマックス社代表のアナ・スラニーナさんの訪問を受け入れました。
岡本さんは同大豆の魅力に惹かれ、栽培農家と協力して多くの加工品を開発。百貨店などで販売され注目を集めています。一方、エダマックス社は隣国ルーマニアで大豆栽培と冷凍加工を行うベンチャー企業です。新型コロナウイルス禍以降、オーストリアでは日本食材に対する関心が高まっているといい、大豆の栽培風景や加工商品の投稿を豊国屋のSNSで見た同社は、より良い大豆生産を目指すため同国大使館を通じて訪問受け入れ依頼をしました。
訪問では、同社が効率的な大豆生産をするため、複数品種を実験栽培していることを報告。実験データを示しながら、ヨーロッパではどのような栽培方法が適しているか、日本での大豆栽培プロセス、同大豆の魅力などについて教示を求めました。
岡本さんは同大豆について「他の品種と比べ糖度が高く、脂肪分が少ないためあっさりとした味わい」など魅力を力説。発祥地である相模原市津久井地域は山と緑に囲まれ、豊かな水と土壌に恵まれています。また、平地と比べ気温が2~3度低く、日中との寒暖差が大きいことでうまみが濃縮されると説明しました。
岡本さんをサポートするため同市農政課職員も同席し、同大豆の特徴や魅力などを紹介する行政ホームページを英訳し、印刷した資料を用意。同市を案内するパンフレットを使いながら市の地理的特徴を紹介しました。
意見交換後は、岡本さんが開発した同大豆の蒸かし豆や納豆こうじ、ソイカフェなどを試食。スラニーナさんは「ヨーロッパの大豆とは比較にならないほど香り高く、味が濃くておいしい」など、驚きと笑顔の表情を見せていました。 岡本さんは「外国企業から津久井在来大豆を注目してもらえるのはとても光栄な事。同じ大豆を扱う者として、欧州での大豆栽培と事業が発展につながるヒントをつかんでもらえれば」と話しました。