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【広報取材】農閑期に晩白柚

大野支店管内で、ブドウ農家が試験販売を始めた柑橘類、「晩白柚(ばんぺいゆ)」に注目が集まっています。省力での安定栽培につなげ、冬場の農閑期での副収入にも一役買っています。
中里正人さん宅では住宅街に囲まれた環境の中、約50aの広さで「中里ぶどう園」を3世代で営んでいます。「シャインマスカット」「藤稔」を主力にする一方、中里さん宅では柑橘類の「晩白柚」と、「はるか」「スイートスプリング」を栽培。晩白柚は、約20年前に知人から苗木を1本譲りうけて庭先に植えたものです。
晩白柚はザボンの一種で果実が大きく育つのが特徴。子どもの頭ほどに育ち、平均1個1.5~2kg位の重さに育ちます。大きさに加えて”黄金色”と称される果実の色や、葉が常緑であることから縁起が良いとされ、正月飾りの一つとして床の間や玄関に飾られることもあります。
栽培は主力のブドウの合間をぬって行うため、細やかに手は入れていないといいますが、ブドウ畑の土づくりでも使う馬ふんを投入しています。馬ふんは近所の乗馬クラブから発生したものを活用し、年に500㎏使用。これまでのところ大きな病気に見舞われていないといいます。大きなサイズを実らせるため、日当たり等に注意した摘果に注力しています。
中里さん宅ではブドウ販売が一段落する晩秋~冬の出荷物として、今年1月から試験販売を始めました。出荷先はJA農産物直売所「ベジたべーな」「ベジたべーなmini」に加え、自宅での直売がメイン。まだまだ認知度の低い作物のため、パッケージにおすすめレシピを同封し、消費者に消費をPRしています。
試食した近隣住民によると、薄皮を刻んでシロップ漬けや砂糖漬けにするのがお勧めだそうです。また、柚子の代わりとして浴槽に入れて楽しんだりしています。
中里さんは「相模原では柑橘類の生産が少ないので、これをきっかけに柑橘を軸とした果実の新たなブランド化を進めていければ」と期待しています。