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【広報取材】水耕栽培の農業者が情報交換

システムの運用状況について説明する吉川さん(左)

 緑区相原で循環型水耕栽培システムを今年春から試験運用している吉川寛徳さんは11月18日、同区寸沢嵐で水耕栽培に取り組む中島眞治さんと互いに圃場視察し、情報交換しました。

 今年3月まで当JAの職員として営農指導員を務めた吉川さんは現在、72㎡のハウスで同システム「アクアポニックス」を運用し、主力のリーフレタスの他、サラダ菜、ロメインレタスなど葉物野菜を生産しています。

 このシステムは、水槽で養殖する魚の排泄物を水中のバクテリアが植物の栄養素に分解。その栄養素を植物が吸収して水の浄化装置の役目を果たし、きれいになった水が再び水槽に戻る仕組みです。水を一切捨てずに入れ替えることもなく、農薬・化学肥料の必要としないのが特徴です。また、土耕栽培と比べて約半分の日数で収穫可能なサイズまで栽培が可能で、通年で安定した生産を見込むことができます。

 同JA管内では水耕栽培に取り組む生産者が少なく、吉川さんは就農に際し水耕栽培のノウハウを手に入れるのに苦労していました。そのため、他の地域と農業者と交流・情報交換してみたいと考えていました。

 そのような中、神奈川県農業技術センター北相地区事務所の紹介で、東京都八王子市在住の中島さんとの意見交換が実現。中島さんは同事務所の近くで水耕栽培を始めて3年。420㎡のハウス2棟で葉物野菜や促成栽培のピーマン、ナス、キュウリを生産し、スーパーや生協などに出荷しています。

 この日、中島さんの視察を受け入れた吉川さんは現在の経営状況や現在の課題を紹介し、今年10月からJA相原支店の直売で野菜販売を始めたことを報告。害虫の防除方法や水槽で飼育する「ティラピア」の様子を確認し、葉物野菜の生育状況などを見て回りました。吉川さんは「冬季に水槽の水温を22度に保つため、ヒーターの電気代が心配」などと不安を口にしていた。

 質疑応答では、「システムで得られる肥料成分以外に、作物へ補給している肥料はあるか」「水槽の洗浄やメンテナンス頻度は」など、同システム運用ならではの疑問を互いに投げかけていました。

  吉川さんは「互いに参考になる栽培方法などを取り入れ、より良い水耕栽培ができるよう取り組んでいきたい」と意気込みました。